3DプリンターANYCUBIC PHOTONの紹介、2回目です。
1回目はこちら
機密保持的な意味で問題の無い趣味のものを出力してみたので、写真を交えて紹介していきます。
こんな感じに綺麗に、かなりの精度で出力されます。
円柱部分の外周が角ばっているのはPHOTONのせいではなくデータがそうなっているからです。
データはZBrushで作成したのですが、円柱外周部分は素のシリンダー3Dそのままでディバイドもかけていません。
太陽光の使えない夜や天候の悪い日は、今は使っていないUV波長域の入った水槽用LEDスポット照明で二次硬化させています。
うちで使用しているのは『Grassy LeDio』というシリーズの商品です。名前にUVと付いているものであればUVレジンを硬化させるのに十分だと思います。ただUV以外の波長もしっかりと入っているので、レジンの硬化のためだけに使うなら少し勿体無いですね。
持ってはいないのですが『VitalWave9W Violet』もUVレジンの硬化の向いていそうです。これだとPHOTONの純正レジンが硬化する波長域近辺の波長だけなので無駄は少ないです。
他の分野のLEDからの転用で気を付けないといけないのは、光硬化樹脂を使った3Dプリンターのレジンがすべて同じではないということです。光硬化樹脂を硬化させる波長はレジンによって違います。UV域ではなく可視光域で硬化させるものもあります。高出力LEDは非常に高価なので、もし購入するなら必要な波長を調べてからにすることをオススメします。
直径0.5mmほどの円錐も綺麗に出力されています。
出力時に上になる円錐の側面に垂れ切れず乗ってしまったレジンが硬化して付着してしまっていますが、肉眼では分からないレベルです。これは粘度の低いレジンが発売されれば解決されると思います。
磨いて、中にネオジム磁石を入れて瞬着で蓋を固定して完成です。
で、これが何かというと…
水槽のガラス面を掃除するクリーナーです。
細かい円錐は間に挟んだメラミンスポンジがずれないようにするための滑り止めです。
こんな機能を持ったパーツが欲しい!というものは、強度が必要だったり、大きさが必要だったりしない限り簡単に作れてしまいます。
すごい時代になりました。
スライサー上ではプリントエリアに入りきっていたはずなのに、プリントエリアからはみ出してプリントされないという事がありました。
データ上では球状のパーツです。
比べるとプリントエリア外に出てしまった部分がバッサリ切れているのは分かります。
原因はここで分かりました。
サポート材が曲がっています。
プラットフォームが、プリントの際に出力物側からの引っ張りに耐えられずにプリント中に動いてしまったようです。
プラットフォーム0地点調整は手動でやる仕様なのですが、その際の固定のための締め付けはかなり強めにやった方がよさそうです。
これから3Dプリンターはどんどん高性能化、低価格化が進んでいくと思われます。プロの原型師がフィギュアの原型に使用するにも十分な精度の3Dプリンターが、プリントエリアが小さいとはいえ10万を切っているので、個人で活動している原型師にとってもそろそろ買いの時期なのではないかと思っています。
無理をして何十万もするような高性能な物を買うのであれば、このクラスのものを複数台購入して平行稼働するというのも、プリントエリアや出力速度もカバーできるし、故障の際のバックアップも兼ねると考えればアリではないでしょうか。
PHOTONオススメです。